宮入法廣
宮入法廣(みやいり のりひろ)

刀剣作家
長野県無形文化財保持者(工芸技術)
平成23年3月28日指定
東御市八重原に鍛錬場を構える宮入法廣(みやいりのりひろ)氏は、日本刀制作の分野で高い技術を持つ刀匠です。
平成7年(1995)に39歳で「無鑑査」に認定され、平成22年(2010)には新作名刀展の最高賞「正宗賞」を受賞しました。
平成23年(2011)には、日本刀制作技術の長野県無形文化財保持者に認定されています。
現在も東御市で作刀を続けるとともに、後進の育成や刀剣文化の普及に取り組んでいます。
宮入法廣氏の歩み
宮入法廣氏は、昭和31年(1956)に、刀匠・宮入清宗氏の長男として生まれました。伯父は、重要無形文化財保持者、いわゆる「人間国宝」であった刀匠・宮入行平氏です。
昭和53年(1978)に國學院大学文学部を卒業した後、石川県に住む人間国宝の刀匠・隅谷正峯氏に師事しました。5年間の修業後、父・清宗氏のもとで作刀に取り組んだ後、平成8年(1996)に旧北御牧村八重原で独立し、鍛錬場を構えました。
以来、東御市を拠点として、日本刀の制作、古い刀剣の研究と復元、後進の育成に取り組んでいます。
無鑑査認定と正宗賞受賞
法廣氏は、昭和59年(1984)から新作名刀展などに作品を出品し、数多くの賞を受賞してきました。
平成7年(1995)には、優れた受賞実績と技術を持つ刀匠に与えられる「無鑑査」に、39歳の若さで認定されました。
平成22年(2010)には、新作名刀展において、特に優れた作品に授与される最高賞「正宗賞」を受賞しました。その卓越した技術が評価され、翌平成23年(2011)に長野県無形文化財保持者に認定されています。
- 「無鑑査」とは
1年に1度開催される(公財)日本美術刀剣保存協会主催の「現代刀職展」において、優れた受賞実績を重ね、審査を受けずに作品を出品できると認められた刀匠の資格です。
- 「正宗賞」とは
「現代刀職展」において、「長年の研究活動の成果が大いに表れ、後世においても名品と認められ得る」特に優れた作品に授与される最高賞です。該当する作品がない場合は授与されない、非常に権威ある賞です。
法廣氏の作風
法廣氏は、人間国宝・隅谷正峯氏から学んだ「備前伝」を基礎としながら、さまざまな時代や流派の刀剣を研究し、幅広い作風を追求しています。
備前伝は、現在の岡山県瀬戸内市周辺で発展した日本刀の伝統で、優美な姿と華やかな刃文を特徴とします。
文化財の復元と特別な刀剣の制作
法廣氏は、新作刀の制作だけでなく、古代・中世の刀剣を研究し、その技術や名刀をよみがえらせる復元制作にも取り組んでいます。
これまでに、正倉院宝物の刀子(とうす)、古墳から出土した鉄剣、神社などに伝わる刀剣の復元制作を手掛けてきました。
また、高円宮家の御守刀、横綱朝青龍の土俵入り太刀、伊勢神宮の式年遷宮に伴う御神宝など、特別な役割を持つ刀剣も制作しています。
こうした仕事は、材料や制作方法を研究し、過去の技術を現代によみがえらせ、次の世代へ伝える取組でもあります。
東御市に受け継がれる刀剣文化
東御市は、江戸時代末期に活躍した刀工・山浦真雄と源清麿兄弟の出生地です。
現在、その地で法廣氏が作刀を続けていることは、東御市の刀剣文化が過去の歴史にとどまらず、生きた技術として受け継がれていることを示しています。
法廣氏は、作品制作に加えて、門弟の育成にも取り組んできました。令和8年(2026)には、法廣氏のもとで技術を学んだ森國利文氏が無鑑査に認定されました。
宮入法廣氏関連年表
昭和31年(1956) 立科町に生まれる
昭和53年(1978) 國學院大学文学部を卒業し、隅谷正峯氏に入門
昭和59年(1984) 父、清平氏へ入門、新作名刀展へ初出品
平成7年(1995) 39歳で無鑑査に認定
平成8年(1996) 旧北御牧村八重原に鍛錬場を構える
平成16年(2004) 企画展「刀匠 宮入法廣の世界」を開催
平成18年(2006) 企画展「小品の世界・刀子」を開催
平成22年(2010) 新作名刀展で正宗賞を受賞
平成23年(2011) 長野県無形文化財保持者に認定
企画展「刀匠 宮入法廣作刀展2011」開催
令和6年(2024) 企画展「東御の刀鍛冶―繋ぐもの―」を開催
令和7年(2025) 冊子「刀剣作家 宮入法廣の仕事」を発行
企画展「刀剣 Touken―刀が映す東御の歴史(けしき)―」および特別文化対談「福島善三×宮入法廣」を開催
令和8年(2026) 門弟の森國利文氏が無鑑査に認定
※企画展については、東御市主催又は会場としたものを記載しています。
動画で見る「東御の刀鍛冶」
東御市公式YouTubeでは、法廣氏の作刀の様子や、東御市に受け継がれてきた刀剣文化を映像で紹介しています。
日本刀へ仕上げていく工程や、刀匠の技と仕事に込められた思いをご覧ください。
【東御市公式YouTube「東御の刀鍛冶」再生リスト】
https://www.youtube.com/playlist?list=PLEoHaEn96rDI
※外部サイトへ移動します。
冊子「刀剣作家 宮入法廣の仕事」
https://www.adjustbook.com/doc/us/16467/bk/25004
法廣氏の生い立ち、修業時代、復元した名刀や、作刀への思い、制作の裏話などをまとめた冊子です。
写真や作品解説を交え、分かりやすく紹介しています。ウェブ版は、上記のリンクからご覧いただけます。(※外部サイトへ移動します。)
冊子をご希望の方は、文化・スポーツ振興課文化振興係へお問い合わせください。(※郵送での配布は行っていません。)
過去に開催した刀剣展
東御の刀鍛冶―繋ぐもの― 源清麿、山浦真雄、山浦兼虎、そして宮入法廣へ
2024年 9月14日 - 11月24日

刀剣 Touken―刀が映す東御の歴史―
2025年 11月15日 - 2026年 1月12日

2025年「刀が映す東御の歴史」チラシ(pdf 2,020 kb)
法廣氏の作品例
刀子
刀子とは、古代の小刀で、正倉院に多く現存しています。外装に様々な意匠をほどこし、貴族や宮中の役人の間では、御護りとして用いられていたものです。
法廣氏は師匠の隅谷正峯氏から、刀子の制作についても継承し、刀子作家としても活動しています。
宮内庁正倉院事務所から依頼があった正倉院刀子再現模造の制作は、名刀の鉄の表現方法を発見するきっかけとなりました。

(正倉院刀子を手本として制作された刀子 梅野記念絵画館・ふれあい館所蔵)
五カ伝ごとの代表作
五カ伝とは、優れた刀が多いとされる鎌倉・南北朝時代に、多くの名工や流派が興った5つの国、大和国(奈良県)、山城国(京都府)、備前国(岡山県)、相州国(神奈川県)、美濃国(岐阜県)での伝法や作風のことです。
一般的に刀鍛冶は、その中の一流派を究めることを本道としていますが、宮入法廣氏は五カ伝すべての技法を独自に習得しています。
山城伝 (やましろでん) | 小太刀(国宝 来国俊再現模造) |
薙刀直シ刀(重要文化財 骨喰藤四郎再現模造) | |
太刀(名物 鬼丸国綱再現模造) | |
大和伝 (やまとでん) | 太刀 銘 (表)法廣 |
太刀 銘 (表)奉納 日光二荒山神社 御宝前 小川定弘 小川正弘 | |
備前伝 (びぜんでん) | 太刀 銘 (表)築松本城二二百年記念 應江原家需法廣(花押) |
短刀 銘 (表)信濃國住人法廣 | |
刀(再現模造燭台切光忠) | |
相州伝 (そうしゅうでん) | 太刀 銘 (表)以銑卸法廣(花押) |
太刀 銘 (表)以銑卸法廣 | |
美濃伝 (みのでん) | 刀 銘 (表)法廣 |
太刀 銘 (表)法廣 |
文化・スポーツ振興課文化振興係(文化財)
電話:0268-75-2717 | ファクシミリ:0268-63-5431
メール:bunka-sports@city.tomi.nagano.jp
更新日:2026年8月28日
![東御市(とうみし)[TOMI CITY OFFICE]](../../file/12340.gif)



