1. トップページ>
  2. 市民向け情報>
  3. 教育・文化・スポーツ>
  4. 文化財>
  5. オオルリシジミ

オオルリシジミ

img20220621_20452218148オオルリシジミ

オオルリシジミ

天然記念物・市指定

平成17年12月1日指定

オオルリシジミは、本州と九州の火山性の草原や河川敷などに生息しているシジミチョウの一種ですが、最近では良好な生育環境が減少しているため、殆んどの地域で絶滅したり、絶滅の危機に陥っています。長野県内でも1980年代から急速に個体が減りはじめ、北御牧のオオルリシジミも1990年代には自然状態では見られなくなってしまいました。このように、長野県内でもオオルリシジミの減少が著しいため、平成16年(2004)発行の長野県版レッドデータブック動物編では、絶滅危惧IB類に選定され(環境省版レッドデータブックでは、絶滅危惧I類)、長野県希少野生動植物にも指定されています。
こうした現実を憂慮した東御市の北御牧地区の人々は、県内外の蝶の専門家と相談して、平成13年(2001)からオオルリシジミの保護活動を本格的に開始しました。具体的には、幼虫の食草になるクララ(マメ科)の保護や増殖活動を行うと共に、オオルリシジミを累代飼育して放蝶することにより、オオルリシジミの個体数を増やす保護活動が行なわれ、その甲斐があり、平成16年(2004)には、オオルリシジミの自然繁殖が、北御牧では確認されるようになり、その後は放蝶も休止しています。
しかし、まだ多くの問題も残されています。こうした保護活動が話題となり、オオルリシジミが自然状態で観察できるという情報が広がると、蝶の収集家などが集まってきて、せっかく増やしたオオルリシジミを、捕獲してしまうことがあるからです。オオルリシジミが、減少してしまった原因の一つに、マニアによる採集圧があったことも事実で、採集圧はその個体群の存続に大きな影響を与えます。特に、現在のオオルリシジミのように個体群が小さくなってしまっていると、そこへ強い採集圧が加われば、一年でその地域の個体群が絶滅してしまってもおかしくありません。地元の人と県内外の専門家などが協力して、オオルリシジミが自然繁殖できるまでにその個体群を復活させてきたが、環境の悪化により徐々に個体数が減っている懸念もあり、安心のできる状態には至っていません。オオルリシジミが、この地でこれからも自然繁殖を続けていくためには、新しい視点を常に取り入れた保護活動を今後も継続していくことが大切になります。

img20220621_20472784

所在地 東御市内北御牧地区一帯

署名

文化・スポーツ振興課文化振興係(文化財)
電話:0268-75-2717 | ファクシミリ:0268-63-5431
メール:bunka-sports@city.tomi.nagano.jp

  更新日:2023年3月31日

▲このページの先頭へ