片羽稲荷神社の皀莢
片羽稲荷神社の皀莢(かたはいなりじんしゃのさいかち)
天然記念物・市指定
平成9年7月25日指定
片羽稲荷神社の境内にみられる皀莢(以下サイカチと記す)の木は、推定樹齢約350年・樹高約12m・胸高周囲約4.7mという巨木ですが、樹勢は良好で、半球状の美しい樹冠(じゅかん)を形成しています。幹の基部には空洞となっている部分や、コブ状の突起が見られ、基部の太さの正確な測定は難しいのですが、胸高周囲の測定値から推測すると、長野県下で有数の太さのサイカチということになりそうです。平成3年(1991)に環境庁がまとめた「全国巨樹・巨木林調査」のリストからは抜け落ちていますが、これだけの太さのサイカチの木は、日本中にそう多くはないものと思われます。
このサイカチの木は、滋野片羽の稲荷神社の御神木として、氏子や住民により保護されてきたようで、戦前には、この木の下で子供相撲大会が開かれたと伝えられています。
サイカチは、種子の入った30cmくらいのサヤを付けますが、このサヤは、サポニンを含んでいて、石鹸の代用として利用できます。近所の人たちは「サヤを集めて風呂に入ると肌がなめらかになり、体が暖まる」と言って、入浴剤として利用していた時代がありました。また、サヤの中に入っている平らな丸い種子は、薬になるということで、かつては拾っていく人も多かったようですが、現在では、サヤも種子も落ちたままとなっていて、拾っていく人の姿は見かけません。
所有者 片羽区
所在地 東御市滋野・片羽3034
文化・スポーツ振興課文化振興係(文化財)
電話:0268-75-2717 | ファクシミリ:0268-63-5431
メール:bunka-sports@city.tomi.nagano.jp
更新日:2023年3月31日