大日堂の算額
大日堂の算額(だいにちどうのさんがく)
市有形文化財・書跡
平成6年1月24日指定
嘉永6年(1853)3月、加沢田村の上原道英(通称、平左衛門)によって奉納され、幕末期の当地方の和算文化を知る上で、大切な算額です。
算額とは、自分で解いた難しい数学の問題を一般の人に知らせたり、誰にも解けそうもない難問題を出題して、他の和算家に挑戦したりする目的などで掲げられたものです。人々が参詣に多く集まる神社や寺院などに奉納されることが多かったと言われます。
大日堂の算額には、3つの図形に関する問題(幾何の問題)と、その解き方や答えが示されています。それは現代の近代的な解き方をした答えと一致しています。
上原道英は、上田藩士の和算家竹内武信(善吾)の門下生で、当地方における関流(江戸時代の日本的な数学者の関孝和の流れの研究グループ)の和算家の第一人者として、和算 の研究・進歩に大きく貢献しました。
なお、祢津西町には、同じ関流和算を修めた宮下重政(明和5年-1768生まれ)がおり、 「万集算法記」(よろずしゅうさんぽうき)という本をまとめています。
江戸時代の終わりごろ、この地方に和算を学習する風潮があったことがわかります。
この算額は、現在、長命寺の本堂に保存されています。
所有者 長命寺
所在地 東御市祢津・東町
文化・スポーツ振興課文化振興係(文化財)
電話:0268-75-2717 | ファクシミリ:0268-63-5431
メール:bunka-sports@city.tomi.nagano.jp
更新日:2023年3月31日